Green Walk
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2023-04-11

都市の伐採木をわたしたちはどう活かす? | Invisible Connections #2

バイオネストづくりワークショップ

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そういえば、街に生えている木々たちは、その役目を終えた後どうなっているのだろう。ふと何気なく横目で通り過ぎていた木が、いつの間にか伐採されてなくなってしまったという光景を、都市に住んでいる人なら何度か経験したことがあるのではないでしょうか。

渋谷区には笹塚・幡ヶ谷・初台を結ぶ約3kmの緑道(玉川上水旧水路緑道)があります。現在緑道整備から30年近くが経過し、老朽化や防災の面から緑地化の再開発が行われようとしています。Dear Tree Projectでは、その役目を終えて伐採された木を生かす取り組みを、2023年3月4日(土)〜5日(日)に渋谷キャストで行ったイベント「Invisivle Connections - まちのみどりとのいい関係 -」を通じて実施しました。

都市の伐採木をわたしたちはどう活かす?

今回のイベントでは、主に渋谷区の緑道で伐採された街路樹をDear Tree Projectで引き取り、バイオネストとして作る取り組みを行いました。(渋谷区と共に行っている、伐採木のアーカイブプロジェクトについてはコチラ

基本的に、伐採木は保管場所の関係や活用方法が定まっていないため、大部分が廃棄されてしまうのが現状。そこで、今回は実際の伐採現場にDear Tree Projectとして立ち会い、その場で使用する枝を選定し譲ってもらうという方法で一部の木を活用することを試みました。

伐採木や剪定枝で作る、バイオネストとは?

今回は、これらの伐採木を活用し「バイオネスト」を作るワークショップを開催しました。「Bio nest」のBioは、ギリシャ語のbiosから来た言葉で生命体を意味し、nestは鳥や昆虫の巣を意味します。

バイオネストにはさまざまなメリットがあり、カブトムシやコガネムシの幼虫の棲家となり生態系の多様性を高めたり、ゴミとして捨てていた落ち葉などを堆肥として受け入れる場所にもなります。また、不要になった場合は時間と共にそのまま自然に土にかえっていきます。その土地で出たものをその土地で循環し活用していく、注目のナチュラル・コンポストです。

作り方はシンプルで、一度作り方を覚えてしまえば、自分のお庭やそれぞれの地域でも個人レベルでできるという点でも、今回のワークショップの題材として選びました。講師には、株式会社Q-GARDEN代表の小島理恵氏を迎え、渋谷キャストの広場で一般参加型のワークショップを行いました。

まずは、まちを歩いてみどりを知る

ワークショップ当日は、まずは渋谷キャストを飛び出し、まちのみどりを知る「グリーン・ウォークスルー」からスタート。Dear Treeでは、スタディ・キットとして、まちの葉っぱを集めて自分だけのコレクションを作る「グリーン・コレクション・キット」を制作。当日は参加者一人一人にそれらを配布し、お気に入りの葉っぱや草花を集めることからまちのみどりに近づいてもらいました。

ルートは事前にDear Tree ProjectとCATsでリサーチをした、キャットストリートのみどりマップを下に、街のみどりを辿りました。

子どもから大人まで、夢中になって制作開始

ウォークスルーを終え、いよいよバイオネスト作り開始。まずは、枝の太さや長さをある程度仕分けをして作業しやすくします。その後、太い木で土台を作り、同じ方向に中くらいの枝を重ねていきます。ある程度丸い形が見えてきたら、その隙間に細い枝を差し込んでいきます。これを繰り返しながら全体のバランスをみて形を整えていきます。

枝を切る人、枝を運ぶ人、枝を差し込む人、全体のバランスを見る人、自然と子どもから大人までそれぞれの役割を見つけて黙々とバイオネストを作っていきます。最終的には膝の高さくらいになるまでを目指して作りました。

ふかふかの落ち葉のプールは、最高の遊び場

バイオネストの形が完成した後は、落ち葉を入れて完成です。少しずつ落ち葉を入れて、踏みならしていきます。これらの落ち葉は、約半年から1年かけてゆっくりゆっくり堆肥になっていきます。

バイオネストのメリットは、これまでゴミになっていた落ち葉をこのように活用できるところにもあります。また、ふかふかの落ち葉のプールは子どもたちにとっては最高の遊び場です。当日も、参加した子どもたちはワークショップが終わってもなかなかその場を離れようとしないなんていう一幕も。

伐採された木の元へ、バイオネストとしてお返しを

今回、制作した2つのバイオネスト。一つは、CATsが管理し、コンポスト作りをしている表参道のとあるお庭へ寄付、そしてもう一つは、今回伐採された渋谷区緑道のサクラの木のふもとへ、バイオネストとしてお返しすることができました。このエリアは、渋谷区の社会実験として市民主体でコミュニティ・ファームを運営している場所でもあります。今後は、このファームの運営チームがバイオネストを引き取り活用していきます。

今後も、このような形でまちの人と共に、街の木々を豊かに活用していく取り組みをDear Tree Projectで挑戦していきたいと思っています。

↓今回作成したグリーン・コレクション・キット (Designed by Sosuke Sugiura)

川から公園へ。キャットストリートの原型

この辺りは、今では信じられないが、渋谷川(穏田川)が流れる農村エリアだったという。その後、周辺の民家からの生活排水で汚染が進んでいた渋谷川を、1960年代に暗渠化(川の上に蓋を被せるよう通路にする)し、今の原型ができたよう。

当時まだこの辺りには多くの子どもたちがいたようで、子どもたちの遊び場をつくろうと、滑り台やブランコ、砂場などの公園空間ができていった。その公園に、野良猫が集まってきて、「キャットストリート」という通称がついたという説があるそう。

明治13年(1880)〜明治19年(1886)頃 第一軍管区地方2万分1迅速測図原図(部分)所蔵:国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

インビジブル・グリーン・ウォーク

ーみどりを巡る10のスポット

公園空間が進んだキャットストリート。今回は、ストリート内にある花壇の管理に現在関わっている方とともにグリーン・ウォークをおこない、地域のみどりを巡った。よく眺めて歩いていくと実に多様な植物があり、中には、ハーブやりんごといった食べられるものまであるようだ。普段何気なく歩いていると気づかない、まちのみどりの面白さが見えてくるかもしれない。

スポット①:にんにく畑

渋谷キャストからキャットストリートに入った花壇には、にんにくが植えられている。

スポット②:二叉路にまたがる夏ミカンの木

ストリートを二叉路にまたがる三角地帯の中央にあるには、たくさんの果実をつけている夏ミカンの大きな木。みどりを眺めながらキャットストリートを歩いていると必ず目に入ってくるシンボルツリーのような存在。その隣にはキンモクセイの木が寄り添う。この夏ミカンをどのように使えるか、アイデアはふくらむばかり。階段を登って香るのもおすすめ。

スポット③:香り豊かなエディブル花壇 紫蘇とミントとティーツリー

冬の季節に巡った花壇には紫蘇がまだまだ残っていた。共に同じ花壇で育っているのは、ミントや、アロマでも人気のティーツリーといったハーブだという。ティーツリーにそっと触れれば、良い香りがしてくる。周りのお店でアロマオイルも手に入るだろうし、その植物自体もここで育っているのが面白い。地域の人たちからすると、少しボサボサになっているので整えたいと思っているそうだ。

スポット④:「キャット」ならぬ「アップルツリー」ストリート

キャットストリートには20本以上のりんごの木が植わっている。りんごの品種は秋映(あきばえ)とシナノゴールド。春になるとピンク色に咲く花がとても綺麗で、桜に劣らないほど。3〜4月に花が咲いて、ゴールデンウィーク頃に受粉をして、6〜7月に摘果(果実がつきすぎた場合に余分のものを幼いうちに摘み取ること。)5つ付いている青い実を1つにするなど、地域みんなでお世話をして、8月の終わりには収穫。その日のうちに長野・座光寺の農園に送って、シードルを作っている。

ここにあるリンゴの木は、実は下の方のコブの部分で接木をしている。大木になるりんごの上に、別の小さなりんごを植樹すると、細い小さなリンゴができて、1〜2年で採り始められるそう。大きいものは結構育つまでに時間がかかるため、うまく使い分けて収穫量を保っている。

スポット⑤:りんごの木とアジュガ

りんごの木の下には、アジュガという春にはヒヤシンスのような紫色の花がたくさん咲く植物が植わっている。これは花壇の土のグランドカバーの役割にもなっているとのこと。

スポット⑥:万年草

花壇の下の地面にこっそり生えている草は、万年草という。冬でも緑なのが特徴。

花壇にも生えていて、これは花壇の土が飛んだり、ダンゴムシの侵入を防いだりしてくれる。

地面に生えているのは、実は花壇に生えていたものが下に落ちて広がったもの。本来は、ハサミでバラバラにしたりして広げたり、小さなねプランターで育ててから埋めてあげることでもできるけれど、こうやって落ちて自然に広がっていくのも面白い。

スポット⑦:成長を任せているミントとローズマリー

りんごの木の下にはミントやローズマリーが広がる。ミントは多めに残しているようで、切ってしまえば綺麗になるけれど、自然に任せているとのこと。

スポット⑧:渋谷区保存樹木たちが集まる穏田神社

かつてはこの辺りの地名は「隠田」で、現在の地名「穏田」に変化したという。穏田神社はこの地の産土神として古くより信仰されてきたといいます。

その古い歴史から、さくら、いちょう、ケヤキなど、渋谷区の保存樹木が荘厳に立ち並びます。

秋にはたくさんの小粒の銀杏が落ちて、地域の人は、お掃除しながら少し食べてしまうこともあるそう。社殿の両側には、紅い花と白い花を咲かせる梅の木が彩る。

スポット⑨:TRUNK HOTEL

TRUNK HOTELのお庭に生えているなんとも不思議な形の植物。トゲトゲしていて、ついつい気づくと触ってしまいます。TRUNK HOTELには他にも面白い植栽がたくさんあります。

スポット⑩:坂道の横のさくら

渋谷キャストから少し歩く場所にある坂道の横には、さくら吹雪が舞う桜の木。毎年地域の方々は楽しみにしているようで、散歩する時には必ず寄りたくなる場所のようです。以前は、手前にももう一本あったけれど、いつの間にか引退されたのだとか。

ちょうど良い管理がされた花壇

キャットストリートの花壇を巡ってきて印象的だったことに、”ちょうど良い”管理がなされているところであった。花壇の管理というと、時々見るのが、季節に応じて、土を全て掘り起こして、花を植えて、また季節が過ぎれば、土を掘り起こしてという育て方。こうした方法への違和感もあり、ハーブや育てやすく、2年でも3年でも多年でいける植物を植えているとのこと。

一部の空いてるところには球根とか、季節の植物を植えるが、土を捨ててまで見た目を綺麗にする必要はないのでは、という考え方のようで、水やりも楽になるそうだ。

地域の人々に引き継がれるみどり

案内していただいた小野さんが所属するのは、渋谷川の由来を名前につけた「渋谷川遊歩道花管理班」。この地域は、2つの町会と2つの商店街で、4つで成り立っており、地域全体で話し合い、協力し合って管理をしているとのこと。

一方で、暗渠化されてから数十年が経ち、周辺には流行りのお店やビルができてきた地域で、シニアの方たちも増えてきたとのこと。そうした中で、小野さんも花壇の管理を引き継いだ一人。若い人たちとの協力もどんどん図っていきたいそうだ。

キャットストリートはグリーンカルチャーの先端かもしれない

「うちは苗を作ったり、花を育ててたりして、無人販売にしています。」小野さんは、自ら育てた植物を販売したり、実際にキャットストリートの花壇へも植えていたりもするそう。

ストリートで育てたリンゴでシードルを作ったり、地域の管理する市民が自ら植物を育てて花壇を彩ったり、普段歩いているだけでは気づかない、キャットストリートの見えない一面が見えてくる。

地域の植物で、地域の人たちが育てて、共生したり、使ったりする、ローカル・グリーンの循環は、世の中で大声で叫ばれる環境パフォーマンスなんかより、身近で、誰もが関わることができる日常的な行為のように思える。

キャットストリートの花壇管理に関わる小野慶子さん

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Invisible Connections

まちのみどりとのいい関係

「まちの中の見えないつながりを可視化する」ことをテーマに、渋谷のまちのみどりについて触れ、学べる体験プログラム。

気候変動や温暖化など地球の未来への大きな課題がうたわれる中、私たちの「まち」では何ができるでしょうか?これからのまちづくりや地域づくりにおいて大切な価値観は「人間以外も含めたまちづくり」の視点を持つことではないでしょうか?

今回の取り組みでは、その土地のみどりの資源を活用し循環させる方法を来場者と共に考え、学び合う場を提供します。

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